ヒント(1) 金融機関とはどう向き合えばいいか

いつの時代も中小企業を悩ませるのは資金繰りの問題です。直接金融等、選択肢が増えたとは言え、今でも多くの企業が銀行からの借入金で資金を賄っています。そこで今回は銀行との向き合い方についてお話ししたいと思います。

 

貸す側の論理を考えてみる

 

あなたに100万円の貯金があるとします。そしてある日、見知らぬ人から「100万円貸して欲しい。3年後に利子をつけて返すから」と頼まれたとします。貸す気になるでしょうか。普通は「本当に返してくれるだろうか?」と不安になります。本当に返してもらえる確証がなければ恐くて貸せないのではないでしょうか。

 

これがお金を貸す側の論理です。勿論、銀行の融資判断は個人間の金銭貸借よりも複雑です。しかし本質は変わりません。銀行が貸し渋るのは返済されるかどうか不安だからです。だから何かと担保や保証人を要求されるのです。

 

銀行も変わりつつある

 

ただ最近は銀行の方針も全国的に変わりつつあります。

 

平成15年3月に金融庁が公表した「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」の中に「事業からのキャッシュフローを重視し担保・保証に過度に依存しない融資の促進を図る」とあります。

 

簡単に申しますと「事業がしっかりしているなら担保・保証に関わらず融資すべき」という事です。

 

事実、無担保・無保証で融資を受けている県内企業も存在します。

 

銀行側の情報が不足している

 

100万円の例に戻ります。もしも相手が信用できる人であったらどうでしょうか。事情によっては貸すのではないでしょうか。

 

融資も同じです。事業がしっかりしていれば、いい条件で融資を受ける事も可能なのです。

 

しかし、ここで重要なのは、「事業がしっかりしている」と判断するのはあなたではなく銀行であるという事です。

 

事業が順調かどうか。経営しているあなた自身は分かっていることでしょう。しかし銀行はあなたの事業について、ごく一部の事しか知りません。(専門用語で『情報の非対称性』といいます。)

 

銀行の融資責任者が融資を承諾するには、その判断材料が必要です。あなたの事業が順調だという客観的証拠があれば、それが判断材料になります。しかしそれが不足しているとなれば、どうしても担保や保証人を要求せざるを得ないですし金利も上げざるを得ないのです。

 

さてどうすればいいでしょうか?

 

積極的に情報開示をする

 

銀行側に判断材料が不足しているなら、こちらから積極的に情報提供すればいいのです。具体的には次の通りです。

 

(1)正確な財務諸表の提出
(2)事業計画書の提出
(3)定期的な近況報告や相談

 

財務諸表については中小企業庁が策定した「中小企業の会計」の小冊子が商工会議所にあります。これを参考にして作成するといいでしょう。

 

事業計画書も商工会議所にて雛形と作成例が配布されています。

 

融資も日常業務と同じ。相手とのコミュニケーションが大切です。報告・連絡・相談がしっかりしている人が信用されるのです。

 

情報開示は融資だけでなく、出資を受ける場合にも必要です。手間は掛かりますが実践すれば、長期的には必ず良い方向に向かうでしょう。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2005年4月号掲載)

 

一覧表に戻る