ヒント(2) 経営理念の優劣が企業の明暗を分ける

人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり。

 

戦国武将・武田信玄の有名な言葉です。国を支える砦は『人』である。それを貫く信玄が率いる武田軍団は、三方ヶ原の合戦で徳川家康を打ち負かし、戦国の覇者・織田信長を最後まで恐れさせました。

 

企業は二極分化している

 

時は変わって現代、世の中には多くの企業が存在します。沖縄県内ですと個人も含めて約7万の事業所があります。その内訳は多様であり、中には儲かっている企業もあれば、そうでない企業もあります。

 

最近は、勝ち組・負け組という言葉がよく巷で聞かれるようになりましたが、企業の業績も良い会社と悪い会社との差が大きくなってきました。

 

国もそれを認めており、平成11年、中小企業の位置づけを『守るべき弱者』から『多様性のある存在』へと大きく転換しました。

 

勝ち負けを決めるもの

 

企業運営に必要な経営資源には、人、物、金、情報の4つがあります。

 

この中で一番大切なのは何でしょうか?

 

もちろん『人』です。経営者と従業員がビジネスを回していくのです。

 

ただし、人さえ集めれば良い、という訳ではありません。

 

社長以下、すべての従業員が同じ目標に向かって一致団結して行動していかなければ、決して経営はうまくいきません。

 

上述の武田軍団は信玄死後、息子の勝頼が跡を継ぎました。しかし、求心力がなかった為、裏切りなどによって組織が弱体化し、結局、信長に滅ぼされています。

 

認識を同じくする

 

「うちは少人数だから、仲良くやっているよ」と思われる方もあるかも知れません。しかし、各人の価値観はどうでしょうか?

 

実際にいくつかの会社を訪問して話を伺ってみますと、従業員が数人の会社でも、各人で考え方が大きく違い、驚く事があります。

 

行き当たりばったりでは経営は失敗します。社長は自社の成長シナリオを戦略として描き、それを他の従業員と共有しなければなりません。

 

現在、『情報共有』が経営のキーワードの一つになっていますが、一番共有しなければならないのは、会社が進む方向性についての認識です。

 

これが無いと、上意下達で指示を出しても、やる事がバラバラで、お客様へのサービスのレベルも低くなります。

 

これでは、ライバル企業に遅れをとってしまいかねません。

 

経営理念を明確化し浸透させる

 

経営理念とは「自社の存在目的、社会責任、経営姿勢などを社内外に対して一貫して明示するもの」であり、社長や従業員の言動の拠り所を規定するものです。

 

全ての意思決定や仕事は、経営理念の実践として行われますので、これが社内に浸透すればする程、経営に一貫性が生まれ、皆が団結するのです。

 

もし、まだ経営理念が無ければ早く定めるべきです。優良企業の経営理念(大抵は公開されています)を参考にしながら、自身の信念を言葉に表すのがいいでしょう。

 

また、経営理念を決めただけでは、ただの『綺麗ごと』で終わってしまう可能性があります。これでは意味がありません。

 

伸びる企業を作る為には、以下の方策が大切です。

 

(1)経営理念を従業員に周知する
(2)社長自身が実践する
(3)実践状況を従業員の評価基準にする

 

特に(2)と(3)が大切です。社長の言動の一貫性がポイントとなります。

 

経営理念は『社会への大義名分』です。優れた理念に沿って日々活動する事が、会社を強くするのです。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2005 年5月号掲載)

 

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