ヒント(3) 自社の実状に合った経営戦略を描くには

企業を経営する上で大切なのは戦略の妥当性です。

 
「中小企業には戦略がない」とも言われますが、経営戦略は自社が進む方向性を示す羅針盤ですので、戦略がなければ『ただ周囲に流されるだけの存在』になってしまいます。

 
好況時はそれでも会社は回りますが、外部環境が厳しくなった途端に慌てることになるでしょう。

 

戦略について考える

 
『戦略』という言葉自体は、最近よく目にされると思います。行政でも『○○戦略会議』などと使われています。一種の流行かも知れません。

 
その影響も有ってか、戦略が安易に語られる風潮も見受けられます。

 
しかし上述の通り、経営戦略とは会社が進む方向性を示しますので、間違えると大変な事になります。

 
那覇商工会議所の前の国道58号線でも、北に行くか南に行くかで、行き先は大きく異なります。もし方向が逆だと、どれだけ車を走らせても目的地に到達する事は出来ません。

 
そこで、経営戦略を正しく立てる事が大切になりますが、つかみ所がなくて困られる方もあるようです。

 
経営戦略に関する本は沢山ありますが、それを読んだだけでは大抵の場合、うまく行きません。その理由は、規模、財務力、人材、ノウハウなどが、それぞれの企業によって全く異なるからです。あくまで、自社の状況に合わせた経営戦略を立てる必要があります。

 

戦略立案には手順がある

 
戦略は思いつきや他社のマネで立てるものではなく、正しい手順に従う必要があります。

 
大まかには次の通りです。

 
(1)自社の「ありたい姿」を描く。
(2)自社の「現状」を把握する。
(3)両者のギャップを埋める。

 
順を追って説明します。

 

(1)「ありたい姿」を描く

 
自社を取り巻く外部環境が数年後にどう変化するかを睨みつつ、自社の将来像を考えます。『目標』と言ってもいいでしょう。

 
ここで、大切なのは、『いつの時点でか』という事です。何事もそうですが、時間を決める事が大切です。1年後、3年後、10年後など、具体的な時期を定めた上で、将来像を設定する必要があります。

 
その将来像にはある程度の現実性も必要です。次に挙げる②を睨みながら考えるといいでしょう。

 

(2)「現状」を把握する

 
一見、簡単そうでも実は難しいのが、現状把握です。誰でも自分の事は良く分かっているつもりでも、意外に「思い込み」が入っているものです。

 
企業でも、自社を客観的に見るのは簡単ではありませんので、現状把握にはある程度の時間をかけてじっくり取り組む必要があります。

 
詳しくは次回以降に解説しますが、財務、顧客、従業員、ノウハウ、業界、競合などについて、現状を把握して分析します。

 

(3)キャップを埋める

 
現地点(現状)から目標地点(ありたい姿)に到達する道のりを決めます。これが経営戦略です。

 
最も大切なのは優先順位です。資金も時間も有限ですので、出来る事は限られます。実践可能で、かつ効果がある事を優先し、重要でないものは切り捨てる勇気も必要です。

 
また、戦略の内容に無理が有っては、資金繰りの悪化や士気の低下につながりかねません。多少の背伸びは有っても、あくまで現実路線が好ましいと言えます。場合によっては(1)に戻って、将来像の見直しも検討します。

 
戦略立案の基本的な考え方は以上です。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2005年6月号掲載)

 

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