ヒント(6) 資金繰りを管理しないと不足してから後悔する

企業にとって避けて通れないのが資金繰りの問題です。全ての企業活動には資金が必要であり、もし資金が枯渇すれば企業は死んでしまいます。財務の中でも資金繰り管理は特に重要だと言えます。

 

資金繰り管理の目的

 

自社で販売している商品Aの仕入単価が千円だとします。ある時、仕入先から「Aを現金一括で1万個仕入れたら単価を6百円にするよ」と言われました。全部売れたら、原価の差額分、即ち4百万円の儲けです。

 

どうでしょうか。乗りますか?

 

もし資金が無いのに大量に仕入れてしまうと後で苦しくなります。逆に資金があるのに話を見送れば、折角のチャンスを逃します。

 

つまり、とるべき判断は資金繰り状況によって違うという事です。これは仕入れだけでなく、設備投資や雇用、研究開発なども同様です。

 

また、一時的に運転資金が不足する事も考えられます。この場合、早めに察知して借入れ等の対策に動かないと手遅れになる事があります。

 

正しい経営判断は資金繰り管理が出来ている事が前提なのです。

 

管理する内容

 

管理内容は次の3つです。

 

(1)資金がいくらあるのか?
(2)将来いくら入ってくるのか?
(3)将来いくら出ていくのか?

 

具体的には『資金繰り計画表』を作成します。現在の資金額をスタートとして、将来の資金の収支を月単位で計画し管理していきます。

 

最近の会計ソフトは資金繰り計画表の作成機能がついているものが多いですし、表計算ソフトや手書きでも作成は可能です。

 

資金繰り計画表の作成

 

資金繰り計画は、まずは短期、半年~1年先の分まで作成するのがベターです。下にその例を挙げます。実際はもう少し細かいのですが、説明の都合上、簡略化しています。

 

 

この計画表の見方ですが、10月は資金の収入が350、支出が320で差し引き30の黒字です。前月繰越が100ですので、10月末の資金残高は130です。これが11月に繰り越されます。

 

なお、これは『資金繰り』ですのでお金の動きに合わせて数字を入れていきます。10月に30の売上があっても、入金が11月であれば、この『30』は11月分に回します。

 

計画作成における注意点

 

計画は客観的な数字を基にしなければなりませんが、どうしても主観が入りがちになります。

 

特に売上収益は『計画』が気付かないうちに『希望』にすりかわる事があります。収入は意識して厳しめの数字にした方が確実です。

 

また、後で慌てないよう、貸し倒れや回収遅延の可能性も考慮しておきます。

 

資金繰り計画の活用

 

資金繰り計画表によって将来の資金の流れが見えますので、経営上の判断材料として活用します。

 

また、実際に計画通りの数字になったかどうかを後からチェックし、その違いを原因分析して以降の対策を立てます。これが『管理』です。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2005 年9 月号掲載)

 

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