ヒント(7) 資金繰り改善は売掛金の管理から

「勘定あって銭足らず」という言葉があります。利益が出ているのに、資金が足りないという意味です。黒字倒産とまでは行かなくても、資金繰りに苦労している企業は少なくありません。

 

資金繰りが厳しい原因

 

資金繰りが厳しくなる原因は大きく分けて二つあります。

 

(1)粗利益が稼げていない
(2)経営管理が甘い

 

(1)の「粗利益が稼げていない」は、商品やサービスが売れていないか、必要以上に値下げしすぎているのが原因です。そもそも『勘定』があっていないのですから、販売戦略を抜本的に見直す必要があります。

 

(2)の「経営管理が甘い」ですが、資金繰りに関連する管理対象は、主に次の通りです。

 

(1) 売掛金
(2) 在庫
(3) 固定資産への投資と処分
(4) 資金の調達、運用、流出

 

これらを順に解説していきます。

 

まずは売掛金から

 

売掛金の管理は一番の基本です。高度な経営判断よりは、現場の意識付けが重要になります。また、失敗した時のインパクトが一番大きいのも売掛金です。勿論、「失敗」とは貸し倒れの事です。

 

100万円の商品を販売し、20万円の粗利益が出たとします。ところが、販売先が倒産して販売代金を回収できませんでした。100万円の貸し倒れ損です。

 

この分を取り戻すには、いくら売らねばならないか。100万円分を粗利益でカバーするのですから、売上ベースで5百万円が必要です。

 

こういう考え方が経営者は勿論のこと、販売に携わる従業員全員に浸透しているでしょうか?

 

売掛金は貸金のようなもの

 

たとえ貸し倒れがなくても、資金繰りの観点では売掛金は出来るだけ少なくすべきです。

 

100万円の商品の例ですが、回収サイトが2ヵ月だとして、次のように置き換えて考えます。

 

商品を掛けで販売するとは・・

 

(1)商品を現金で販売する
(2)その得意先に百万円を貸す
(3)二ヵ月後に返済してもらう

 

この『貸金』には利子がつきません。ここで、商品の仕入代金を『返済』よりも早く支払うとすれば、自社の資金は不足します。その不足分を運転資金として、金融機関から有利子で借りているのが実態です。

 

こう考えると、売掛金をどう管理すべきかのイメージがつかみ易いのではないでしょうか?

 

得意先別の売掛管理

 

売掛金が売上高の伸び率以上に増えていたら要注意です。また、回収遅延や『不良債権』がないかチェックします。仕入先や外注先への支払いよりも早く回収できるよう、サイト短縮の交渉も必要でしょう。

 

与信管理

 

与信限度額(売掛の限度額)を設定し、この額を超えないよう管理します。中には、現金販売に限定すべき得意先もあるでしょう。情報収集力と目利き力が重要です。

 

回収のイニシアティブ

 

多くの企業では営業担当別の売上目標があると思いますが、回収遅延ゼロも目標に組み込んで評価対象にすべきです。目的は、営業と経理が連携した回収体制の確立です。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2005 年10 月号掲載)

 

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