ヒント(12) 企業を強くする投資の考え方

企業が業界内で優位な位置に立つには、自社の中核となる強みを認識した上で、それを積極的に強化していく取り組みが欠かせません。その一環として、固定資産などへの投資活動があります。前回に引き続き、今回も投資に対する基本的な考え方をいくつか紹介したいと思います。

 

投資の原資は何か

 

固定資産に投資する場合、「その資金をどこから捻出するか」が大きな問題になります。投資の為の資金の出所を『投資原資』と言いますが、これをキャッシュフローの観点から捉えてみたいと思います。

 

『キャッシュフロー』を簡単に言えば、『資金の流れ』になりますが、企業をめぐる基本的な資金の流れは次のとおりです。
 

 

(1)営業活動

 

営業活動とは、営業マンの販売活動という意味ではなく、企業の本業の活動を指します。即ち、商品やサービスをお客様に販売して、その対価として代金を受け取る活動のことです。また、売掛金の早期回収や、在庫削減、支払サイト交渉といった活動も営業活動に含まれます。

 

営業活動によって利益を獲得する為の基盤作りが、投資の目的です。

 

(2)投資活動

 

土地、建物、設備、権利などへの投資を指します。

 

(3)財務活動

 

出資や融資といった資金調達や元本返済などの、財務関連の活動です。

 

どのように考えるか

 

基本的に、投資は、(1)営業活動の結果として得られた資金を原資とします(図のA)。即ち、営業キャッシュフローの範囲内で投資をします。大雑把に言えば、営業利益と減価償却費の合計から税金を差し引いた金額が、投資の原資です。

 

ただ、時には、手元の資金が十分でなくても、将来の為に、投資を実施すべき場合もあります。その場合は、(3)財務活動で資金を調達します。(図のB)。具体的には、設備資金の借入れやリースなどです。

 

融資やリースで資金を調達するような投資は、金額が大きく、それなりのリスクがあります。そこで、リスクマネジメントが必要になります。

 

リスクとリターン

 

よく『ハイリスク・ハイリターン』などという言葉を聞かれると思いますが、リターン(利益)を得るには、一定のリスクを負う必要があります。ビジネス上、「リスクが無い」という事は絶対にありません。

 

リスクが現実になれば、大きな損害を蒙りますので、投資において、リスク対応は不可欠です。「先の事はやってみないと分からない」と言っている企業は、やってみた結果に直面して後で慌てる事になります。

 

さて、リスク対応の手順ですが、大きな流れは次の通りです。

 

(1)考えられるリスクの洗い出し
(2)影響度と発生確率の評価
(3)対応策の検討
(4)対応策の実施

 

投資に間係するリスクを法律、技術、安全衛生、コスト、スケジュール、効果、業務への影響等の観点で全て洗い出し、その影響度(損害の大きさ)と発生確率を見積もった上で、対応の優先順位をつけます。

 

対応策の考え方としては、回避、軽減、保険などがありますので、適切な対応策を検討し、優先順位の高いものから対応策を実施します。

 

このような取り組みの結果、実現されるのが、『ローリスク・ハイリターン』です。リスクに対しては、無謀であっても臆病であってもいけないのです。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2006 年3 月号掲載)

 

一覧表に戻る