ヒント(16) お客様に何を売るのか

商品やサービスを差別化するには、まず顧客ターゲットを明確にする事が大切だと前回お話ししました。ある程度、顧客ターゲットが明確になれば、商品やサービスのコンセプトは明確にしやすくなります。

 

お客様のニーズは何か

 

商売というのは、『誰に』『何を』提供するのかによって、売れる・売れないが決まってきます。顧客ターゲットというのは『誰に』に該当します。この『誰に』が決まれば、次は『何を』です。では、お客様に対して何を提供するのがいいのでしょうか。

 

そう言うと、具体的な商品名を挙げたくなる人もいるかも知れませんが、少しお待ち下さい。今、考えるのは商品やサービスのコンセプトですから、もう少し広い視点で考えなければなりません。

 

『お客様のニーズ』という言葉をよく聞かれると思います。お客様に何を提供するのかは、「顧客ターゲットが何を求めているのか」で考えるべきです。では、お客様が欲しいのは何でしょうか。

 

顧客ターゲットの具体化

 

ここで、お客様のニーズが良く見えない場合は、顧客ターゲットをもう少し詳しく設定し直す必要があります。

 

個人であれば、どんなライフスタイルなのか、どんな行動パターンを持っていて、どんな価値観を持っているのか。その商品やサービスを購入する場合は、どんな使い方や楽しみ方をするのか。他の商品と比較した場合、何を基準に選択するのか。

 

こういった事を踏まえて、顧客ターゲットの人物像を作り上げていきます。

 

法人であれば、どんな事業を営んでいて、顧客層はどうなっているのか、どんな経営方針を持っていて、どんな問題を抱えているのか、こういった会社像を打ち出していきます。

 

そうやって、顧客ターゲットをイメージする事が大切です。そうしなければ、相手が何を必要としているのかが分かりません。「良いものを安く早く」だけでは、ライバルが考えていることと同じ事です。差別化は出来ません。

 

どんな価値を提供するのか

 

「この商品は今までにない、すごい機能を持っている。これは売れる」と言って意気込んで販売したものの、あまり売れなかった、という話をよく聞きます。これは、非常に大切な示唆を含んでいます。

 

自分の発想や技術に自信のある人にありがちですが、『性能』で勝負してしまうのです。これだけ良い商品だから欲しがるはずだ、という発想です。これは一見、もっともらしく聞こえますが、そうではありません。

 

お客様は、『良いもの』を購入するのではなく、『欲しいもの』を買うのです。機能的にどんなに良いものであっても欲しく思わなければ買いません。

 

お客様に何を提供するのか、を考える際の『何を』を考える際は、『性能』ではなく、『価値』で考えなければなりません。

 

相手の立場に立って考える

 

沖縄では健康食品の製造販売を手がけている企業が沢山あります。大抵は素材が持つ成分をベースに商品を開発し、効能を謳っているのですが、成分分析や実証試験がなされていないケースが中にはあります。

 

自分や仲間内で試してみて効果があったから、というレベルの話では、消費者に売る事はかないません。不安だからです。

 

お客様が根本的に求めているのは、安心と満足です。

 

安全性と安心感とは異なります。口にするものは、安全なものでなければなりませんが、お客様が求めているのは安全性そのものではなく、安心感です。安全性を確かめる事によって安心したいのです。

 

効き目についても同じです。効いたかどうかも大事ですが、「効いたような気がする」という満足感が欲しいのです。効き目がある、という性能よりも、効果があったという満足感を与える事が大切です。

 

差別化する為に大切なこと

 

価値というのは心の問題です。これはお客様が事業者であっても同じです。この価値が『何を』にあたります。ここがしっかりしていると、社内外の状況が変わっても軸がブレることなく、独自のビジネスを貫く事ができます。性能だけを追っていると、ここが狂ってくるのです。

 

さて、あなたの会社は、お客様に対して、どんな価値を提供しようと考えているでしょうか?

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2006 年7 月号掲載)

 

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