ヒント(17) 置かれている環境が分かっているか

企業経営で忘れてならないのは、プレーヤーは自分だけではない、という事です。

 

商品やサービスを販売する『お客様』だけではなく、その為に必要なものを調達する『取引先』もあります。勿論、『競合他社』はいくつもあるでしょう。

 

特に、どんな競合があるのか、は大きな問題です。競合状況を考えずに事業を行っている企業もありますが、それらの多くはあまり事業がうまく行っていません。

 

よほど独自性の強い商品やサービスなら話は別ですが、殆どの場合、ライバルの存在があります。競合他社の動向を把握しなければ、お客様に対して明確なセールスポイントを打ち出せないため、『その他大勢』として埋もれてしまいます。

 

よって、自社が置かれている環境をよく認識しておかねばなりません。これを図で表すと次のようになります。

 

 

(1)業界内の競争

 

まずは、目の前の競合です。お客様の数(パイ)は限られていますので、大なり小なりの競争はどうしても発生します。その際に大切なのは、業界内における自社の位置づけをハッキリさせる事です。

 

お客様にも色々あります。顧客ターゲットの設定にも深く関係しますが、自社は何で勝負するのか(価格なのか?品質なのか?サービス力なのか?ブランドなのか?等)を明確にします。いわゆる『ポジショニング』です。

 

また、差別化は強く意識しましょう。競合他社の動向も常に情報収集すべきです。

 

更に、実際のビジネスでは、ここだけに目を奪われていてはいけません。新規参入と代替品の脅威があります。

 

(2)新規参入の脅威

 

成長している市場には魅力が有りますので、新規参入する業者が出てきます。健康食品のインターネット販売に多くの人が参入したのは記憶に新しい所です。あなたが属している業界の市場が成長し、高い利益率が見込める場合、必ず参入者が現れ、競争が激化します。

 

そこで、新規参入者が現れないよう、『参入障壁』を築いておく必要があります。顧客の囲い込み、規模の利益、ノウハウ蓄積、特許取得等の組み合わせが有効です。

 

今後、沖縄には本土の大手業者が参入してくる事も考えられ、要注意です。

 

(3)代替品の脅威

 

競合として認識から抜けがちなのが代替品の存在です。隣の業界も、お客様の財布や予算を狙っているかも知れません。

 

外食産業に対する中食市場、デジカメに対する携帯などがその例です。業界対業界の競合と考
えてもいいでしょう。

 

目先のライバルだけを気にしている間に、業界全体が一気に陳腐化する可能性もあるのです。

 

(4)売り手の交渉力

 

仕入先や外注先などの「売り手」との交渉も色々と発生します。事業活動に不可欠な部分を担う取
引先については、1箇所依存だと主導権を握られがちなので注意が必要です。

 

また、取引先と従業員との癒着にも気を配るべきです。

 

(5)買い手の交渉力

 

お客様は購入先の選択権を元に、値段や支払条件の譲歩を迫ってきます。お客様に高い付加価値を提供し、『欠かせない存在』になる事によって、イニシアティブを獲得する事が大切です。

 

認識を共有させる

 

経営は、自社が置かれている環境をよく把握した上で次の手を打つ事が大切です。これは、経営者だけが知っておくだけでなく、幹部や業務に携わる従業員まで、共通認識を持っておくべき事です。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2006 年8 月号掲載)

 

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