ヒント(22) 製品のライフサイクルを把握する

売れる商品やサービスを考える際は、『誰に・何を・どのように提供するのか』の視点が大切だと、前回お話ししました。今回は更に、『いつ』という視点について考えてみたいと思います。

 

時期によって売れ方・売り方が違う

 

あなたが営んでいる事業、または、これから営もうとしている事業は、『成長』産業でしょうか?それとも『成熟』産業でしょうか?成長と成熟とは一字違いですが、業界がどちらの時期であるかによって、利益の得やすさ、また、取るべき戦略が全く異なってきます。

 

 

上の図を見て下さい。これは、ある製品群(カテゴリー)における、時間と金額の関係を表したものです。『導入期』『成長期』『成熟期』『衰退期』の4つのステージがありますが、これを『製品のライフサイクル』といいます。ちょうど、人間の一生と似ています。

 

携帯電話を例に出すと、世に出た当初(導入期)は、非常に高価で一部の富裕層と先進ユーザだけが持っているだけでした。その後、通話料が安くなって携帯電話を持つ人が増えだし、各ショップが無料で端末を配るようになりました(成長期)。現在では、殆どの人が持つようになり、他社からの乗り換え需要に社が凌ぎを削っています(成熟期)。別の新しい何かが登場して、携帯電話が廃れる時(衰退期)も、いつかは来るでしょう。

 

この流れは、ライフサイクルの長さ(寿命)が異なりはすれど、どの業種やカテゴリーにも概ね当てはまります。

 

ステージごとの考え方

 

各ステージをそれぞれ見ていきます。

 

(1)導入期

 

まだ、その製品カテゴリー自体が世に認知されてなく、一部の先進的な人しか顧客にはなりません。固定費を賄うだけの利益はなく、広告よりは啓蒙が中心になります。

 

(2)成長期

 

製品カテゴリーが認知されだし、多くの人が購入するようになります。需要が大きいため高い価格が設定できて利益も出ますが、徐々に他社の参入も増えてきます。とにかく商品PRと供給体制が大切です。

 

(3)成熟期

 

そのカテゴリーの製品が世に行き渡った状態です。パイが限られる中で供給者が多く、競争が激化します。他社と差別化した高付加価値商品と廉価商品の二極分化が見られます。

 

(4)衰退期

 

技術革新やライフスタイルの変化により、別の新しい製品カテゴリーにとって変わられます。売上と利益が共に低下しますので、通常は撤退を検討します。

 

ビジネスはタイミングが大切

 

新事業を始める場合は、参入しようとしているカテゴリーがライフサイクルのどのステージにあるのかを見極める必要があります。資金が潤沢なら導入期、そうでないなら成長期の前半に参入するのがベターです。

 

また、既存事業が成熟期にあるなら、顧客への価値提案を重視すべきでしょう。価格競争ではいたずらに財務状況を悪化させるだけです。

 

要は、時を捉えた打ち手が大切なのです。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2007 年1 月号掲載)

 

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