ヒント(23) 全ての業種はサービス業

商売の基本は、お客様との信頼関係の構築にある事は異論を挟む余地がないと思います。『儲』という字が『信用有る者』と書くのは有名な話です。

 

さて、お客様との信頼関係を築いていくのに必要なものは何でしょうか。一つには、売っている商品の品質の良さが挙げられるでしょう。あと一つあります。サービスの品質です。

 

サービスの意味

 

サービスをするとは、相手の『役に立つ』という事です。価格を安くする際に、「サービスします」という言い方もしますが、商売とは価値を売る事ですから、お客様の役に立つ行為を『サービス』と呼ぶのが本来の使い方です。

 

消費者をお客様とする業種は、多かれ少なかれ接客が発生しますので、サービスを意識する事でしょう。しかし、法人をお客様とする業種であっても、サービスとは無縁ではありません。それどころか、売上を大きく左右する重要な要素なのです。

 

お客様がお金を出す行為には、必ず目的があります。例えば、家を建てたい、空腹を満たしたい、業務を効率化したい、などです。そして、その目的を果たす手段を探しているのです。多くの場合、自分だけでは目的を果たせませんから、店や会社にお金を払って、その手段の提供を受けている、という事です。

 

モノを売るだけでは勝ち残れない

 

今はモノ余りの時代ですから、モノをお客様に売って終わりという訳にはいきません。モノはお客様が何らかの目的を果たす為の手段ですが、手段は使ってこそ意味があります。

 

お客様が買ったモノも、必ず『使う』という事が生じます。これは、道具として使うだけでなく、食べたり、楽しんだり、住んだり、という事も含みます。適切なモノを上手に使って、自身の目的を果たそうと考えているのが『お客様』なのです。

 

ここでもし、お客様が使うモノの選択を間違えたり、使い方を知らなかったりすると、目的を上手く果たせません。どんなにモノの品質が良くても、お客様にとって意味をなさないのです。

 

ここに、「モノはいいのに売れない」という現象が起きる一つの要因があります。

 

お客様の役に立つ事こそ大切

 

ここで『サービス』の登場です。世の中には色々なお客様がいます。また、同じお客様でも、生きていれば(個人)、また、経営していれば(法人)、様々な事が身に起きてきます。

 

そうすると、達成したい目的が色々と出てきます。解決すべき問題が色々と発生してきます。これがいわゆる『ニーズ』です。

 

これに対応するには柔軟性が必要です。モノは『ハード』といいますが、ハードは堅いのです。これだけでお客様の多種多様なニーズを満たすのにはそもそも無理があるのです。

 

反対にサービスは『ソフト』と言います。ソフトは柔らかいので、うまく仕組みを作れば、お客様のニーズをしっかりと満たす事ができます。

 

具体的なサービスの例

 

あまり抽象論だとイメージが沸かないでしょうから、具体例を挙げます。

 

(1)問い合わせ対応の早さ
(2)役立つ提案
(3)接客の気持ち良さ
(4)商品組み合わせのコーディネート
(5)適切な使い方の伝授
(6)配達・備付・メンテナンス
(7)リサイクル・廃棄のし易さ
(8)お客様同士の交流場所の提供

 

お客様はお金を払うからには、何らかの目的を持っている事を思い出して下さい。目的の達成を一緒に手伝ってくれる店や企業を、お客様は求めているのです。そして、『お手伝いが役に立った』ことの積み重ねが、お客様からの信頼となるのです。

 

サービスのレベル向上の為に

 

サービスを構成する要素には、『仕組み』と『人』と『IT』があります。これらが上手く機能して始めて、レベルの高い(気の利いた)サービスが可能になります。

 

ここで強調しておきたいのは『人』です。店や企業で働く従業員のモチベーションが低かったり、価値観がバラバラであったりしては、サービス品質は必ず低下します。

 

そこで、経営理念、行動指針、経営目標を現場に浸透させて、考え方の方向性を合わせるとともに、働きやすい環境や公平な評価制度を整え『従業員満足』を高める取り組みが重要になってきます。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2007 年2 月号掲載)

 

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