ヒント(34) 営業活動で成果を出すには

売り上げを増加させるには営業マンが必要かつ十分な営業活動をする事が大切です。前回は、営業マンの行動特性を理解したうえで、営業活動の方向性を自社の長期的な利益に合わせる事が大切だとお話ししました。今回は、前回とは異なる視点で営業活動を考えてみたいと思います。

 

まず社長が営業活動をしているか

 

営業活動と言えばどうしても『人』に焦点が当たりますが、営業人材を論じる前にまず、経営者自身がトップセールスをできているでしょうか。

 

経営者(創業者)には大きく分けて営業肌の人と技術肌の人がいます。技術肌の経営者はともすると、売る事への関心が薄く営業活動を他の人に任せがちです。しかし、経営者が営業活動に関心を持っていない企業は十中八九、売り上げが伸び悩んでいます。売るのが下手だからです。

 

経営者のタイプがどうであろうと、売る事に対する執念が不可欠です。さもないと目の前にチャンスがやって来ても見えませんし、売り方の改善もされません。

 

不足している営業人材

 

どの業界でも営業の即戦力となる人は不足しています。人材不足を補うには採用と教育しかありませんが、人材募集をしても中々適切な人材は来てくれません。

 

一つの解決策としては、大企業を定年退職したOB人材の活用があります。そういった人材は、給与よりもやり甲斐を重視しますので、経営者の理念がしっかりしていれば、中小企業であっても営業活動を手伝ってもらえます。豊富な経験と幅広い人脈を持っているOB人材を営業担当役員に招き成功している県内企業もあります。

 

また、営業人材の採用では、話し上手な人よりも聞き上手な人を採用するのが良いでしょう。口の上手さは営業成果にはあまり影響しません。それよりは寧ろ、相手の話をよく聞き、相手を理解する能力に長けた人材の方が、最初は成果が出なくてもしばらくすると力を発揮します。

 

営業マンの目標管理

 

どの企業にも営業マンには目標(ノルマ)がありますが、注意が必要なのは目標の設定方法です。目標が厳しければ厳しい程、営業マンは『目標に設定されていない事』を手抜きします。

 

先の事を無視した押し込み販売や、与信を無視した掛け売り、過度の値引きなどに走らないよう注意が必要です。営業マンは欠品を過度に恐れますので、在庫に余裕を持とうとします。営業マンの言葉に振り回されて過剰な発注や生産をしてしまい、不良在庫を抱えたケースはよく耳にします。

 

達成が自社の利益と資金繰りに直結するような目標設定が大切です。

 

お客様を選ぶ

 

営業マンは体が一つですから、買わない相手には時間を割かず、儲けさせてくれるお客様にこそ時間を掛けるべきです。その為には、客の選別が大切です。しっかりと重要度管理をしているでしょうか?

 

また、嫌な客はこちらから断った方が良い場合が多いです。嫌な客は、要する労力が大きい割には得られる利益が少ないものです。更に、営業マンや従業員のモチベーションにも悪影響を与えます。

 

表現は良くありませんが『客のリストラ』は自社がステップアップする際にはどうしても必要になります。勿論、一時的に客数が減っても経営に影響しないよう、宣伝広告やPRなどで新規の見込客を普段から集めておき、客を選別する『権利』を留保しておく事も欠かせません。

 

クロージングの成功率向上

 

見込客が多いのに成約が少ない営業マンは、クロージングのやり方に問題があります。とにかく値引きで推す、というのは下手なやり方の最たるものです。

 

営業マンはお客様にとっての『相談相手』でなければなりません。「こちらの個別事情を分かってくれている」「良い方法を教えてくれる」「何かと融通をきかせてくれる」と思って貰えるよう、積極的にお客様との信頼関係を築いていくのが、できる営業マンです。

 

特に、お客様の『欲しいけど買えない理由』を相手と一緒になって一つ一つ潰していく事が大切で、そこから連帯意識が生まれます。

 

「買って下さい」と『お願いする』のではなく、「買いませんか?」と『持ち掛ける』のがクロージングなのです。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2008年1月号掲載)

 

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