ヒント(36) コンサルティング営業のポイント

最近はインターネットが浸透し、多くの情報が流通しています。商品やサービスを購入するにしても、いちいち営業マンの説明を受けなくても、自分で情報収集できるようになりました。商品比較サイトや口コミサイトも増えています。

 

このような中、人的営業のやり方が旧態依然であっては、良い成果が出るはずがありません。買う側が変化してきたのですから、売る側も変わらねばなりません。

 

その際に参考になるのが『コンサルティング営業』の考え方です。

 

コンサルティング営業とは

 

コンサルティングとは、『専門的な事柄の相談に応じること』(三省堂デイリー新語辞典)を指します。これを営業活動に取り入れたのがコンサルティング営業ですが、ここで重要なキーワードが『専門家』と『相談』です。

 

病気になって医者に掛かる時の事を考えてみます。医者から見れば私は客ですし私に支払う報酬が医者の売り上げになるのですが、診察が終わって頭を下げるのは医者ではなく私です。

 

客の方がなぜ相手に頭を下げるのかと言えば、相手が専門家だからです。専門家は、私にとって非常に頼もしい存在である為、自分の方が客であるという意識がかき消されているのです。

 

ここで学ぶべき事は、営業マンはお客様にとっての『頼りになる専門家』でなければならないという事です。人は商品を売りつけられる事を嫌います。だから『営業マン』は嫌いです。しかし、『専門家』は自分の傍にいて欲しいのです。

 

営業マンを営業マンと思わせずに、如何に専門家と思ってもらうか。これが、コンサルティング営業の一つのポイントです。

 

お客様から相談される存在に

 

もう一つの『相談』ですが、先ほど述べたように、買う側の『情報収集力』は以前と比べて格段に向上しています。営業マンがいちいち商品説明をしなくても、関心があれば、自分で調べるでしょう。

 

しかし、現在は従来にはなかった問題が出てきています。情報が簡単に得られるのはいいのですが、多すぎて整理しきれず、消化不良を起こしているのです。つまり、『情報処理能力』が情報量の増加に追いついていないのです。

 

業務用のパソコンを購入する時、どうでしょうか?どの機種が一番いいか分かるでしょうか?余程、パソコンに詳しい人でない限り、スペック表を見てもそれが価格に相応しているかどうかが分からないのではないでしょうか?

 

この場合、「あなたにはこのパソコンがいいですよ。その理由は・・・」と教えてくれる人がいたらどうでしょうか?少なくとも、パソコンに関しては、その人を頼りにすると思います。

 

コンサルティング営業とは、お客様から相談される人になる、という事です。

 

コンサルティング営業のやり方

 

営業マンは商品を売る前に自分を売り込めと言われますが、コンサルティング営業とは、まさに、自分自身を売り込むことに焦点を当てています。

 

お客様が、商品やサービスの購入を検討するのは、そこに何らかの『目的』があるからです。その目的が、簡単に果たせるのならコンサルティングは要りません。

 

しかし、今は世の中が複雑化しています。お客様にしても、自分の目的を「確実に」「早く」「低リスクで」果たすにはどうすればよいか分からない場合が多いのです。

 

このような状況では、お客様は商品やサービス自体よりも、目的の達成方法が示してくれる事に大きな価値を見出します。

 

コンサルティング営業では最初に「何が必要ですか?」とは聞きません。「何かお困りでしょうか?」と聞きます。そして、その返事に対して「それはなぜでしょうか?」と突っ込んで聞いていきます。これを何度も繰り返します。とにかく、お客様が置かれている立場や背景を理解することに全エネルギーを費やすのです。

 

そして、状況が見えてきたら「・・・ですよね?」と聞いてみます。ここで「はい」の返事が得られたら成功です。「では一緒に考えていきましょう」「そうですね」とお客様からの共感が得られ、信頼関係が一気に構築されます。

 

ここまで来れば、自社の商品やサービスを販売するのは難しくありません。リピート率も高いでしょう。

 

相手の立場に立って、一緒に『答え』を考える。これが、コンサルティング営業の極意です。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2008年3月号掲載)

 

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