ヒント(37) 重要顧客との関係強化が利益を生む

事業を営んでいると、お客様の数が増えてきます。心情的には、全てのお客様を満足させたいところでしょう。しかし、全てのお客様を他社よりも満足させる事は現実的ではありません。そこで、お客様を『重要顧客』と『そうでないお客様』に分け、メリハリをつけた対応が必要になります。

 

重要顧客とは何か

 

そもそも重要顧客とはどんなお客様かというと、『儲けさせてくれるお客様』のことです。これは『たくさん買ってくれるお客様』とイコールではありません。

 

大口の顧客であっても、値下げ要請が強くて粗利益が得られなければ重要なお客様とは言えません。企業は粗利益を稼がないと生きていけませんが、得られる粗利益が大きいお客様こそ、失ってはならない重要な顧客です。

 

基本的に、事業が利益を出すには、客単価の向上とリピーターの増加がポイントとなります。その両方を担うのが重要顧客です。リピートという意味では、取引ごとの利益ではなく「年間いくら粗利益が得られているか」という視点が必要です。

 

また、直接粗利益につながらなくても、別のお客様を紹介してくれたり、自社の成長につながるヒントをくれたりするお客様も重要顧客と言ってよいでしょう。

 

どうやって重要顧客にするのか

 

あるお客様が『重要顧客』と言える為の必要条件は「あなたの会社や店から買う事が習慣になっている」ことです。購買が、生活や業務の一部に組み込まれていないと、その相手は重要顧客とは言えません。その観点では、2回目の購買が勝負です。

 

まず、2回目の購買があるかどうか。そして、客単価が上がるかどうかです。最初の購買で支払った料金以上の満足がなければ2回目の購買はありません。また、満足していても、それっ切りの縁であっては2回目の購買がありません。しっかりとアフターフォローすることが大切です。

 

そして、2回目の購買のときに、ワンランク上の商品やサービスを注文したり、購買点数が増えたりするかどうかが問題です。というのは、1回目の購買は多くの場合、様子見的な要素があり、粗利益が少ないからです。2回目に粗利益がグッと伸びてもらわないと困る訳です。

 

ここは受け身であってはいけません。 『ただのお客様』を『重要顧客』に意識的に誘導することが大切です。もちろん、誘導するには、事前に『レール』を敷いておく必要があります。事業で利益を得たければ、ここまで考えておかねばなりません。

 

重要顧客との関係を強化する

 

相手との関係を強化したいと思うのであれば、相手の事を知り尽くすことが大切です。重要顧客のライフサイクルや嗜好、物事の考え方や悩みなどを深く知ることです。何度も会っていれば、突っ込んだ話を聞くことは難しくないでしょう。

 

そして、こちらの事を相手に知ってもらう努力も必要です。ニュースレターなどの情報発信をするのが代表例です。たとえ相手からの反応がなくても、読んでいる人は読んでいますので続けることが大事です。

 

こうやって重要顧客との関係を強化し、相手の味方になるのです。もしくは、相手の居場所を作ってあげるのです。自社から商品やサービスを購入するのが、業務や生活の一部に組み込まれてしまえば、相手にとって『失いたくない存在』になります。こうやって相手を自社のファンにしていきます。

 

従業員との関係も強化する

 

重要顧客の満足度を高めるには、サービスの品質がカギです。そこでまず、重要顧客の基本的な情報を従業員間で共有しておく必要があります。お客様の「いつものアレ」の一言で全て通じるのが理想です。その為には顧客管理が必要です。

 

また、サービスを提供するのは従業員です。従業員が気を利かせた顧客対応をするには、従業員が仕事にやり甲斐を感じていなければなりません。最近は、従業員満足が強調されていますが、大切なことです。

 

シェアには注意が必要

 

いくら重要顧客と言っても、特定の顧客が売上高の3割以上を占めると問題があります。失うのが怖くて相手の言いなりになる危険性があります。少数の特定の顧客に収益を依存し過ぎず、絶えず新規顧客を獲得することも必要です。要はバランスです。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2008年4月号掲載)

 

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