ヒント(40) セールスポイントを再認識する

売り上げを増加させるには、自社商品の良さをセールスポイントとしてお客様に明確に伝える必要があります。

 

ところが、セールスポイントを当事者がよく理解していなかったり、認識が間違っていたりすることがあります。すると、当然、お客様に商品の良さが伝わりませんので、売れなかったり値引きされたりします。

 

そこで今回は、セールスポイントについて考えていきます。

 

セールスポイントが認識されていない

 

セールスポイントが本当にお客様に伝わったなら、売り上げはどんどん増えます。また、セールスポイントの内容が本当だったら、リピート購買も増える筈です。

 

しかし、実際には売上高が右肩上がりとは行ってないのが実状でしょう。これは、セールスポイントがお客様に伝わっていないか、間違っているかのどちらかです。

 

売る人には商品の欠点が見える

 

まず、商品を売る人(営業マンや店員など)自身がセールスポイントを理解していないというケースがよくあります。

 

販売の最前線にいる人達には、他社商品が嫌でも目に入ります。お客様を競合に奪われた経験もあるでしょう。すると、どうしても他社商品の良さと自社商品の悪さが印象づけられます(隣の芝が青い)。また、人間ですから、自身の営業力不足を商品力の無さに転嫁したくもなるでしょう。

 

つまり、飛ぶように売れる商品でない限り、営業の最前線には商品のセールスポイントが見えていない可能性がある、という事です。この事実を経営者は良く知っておく必要があります。

 

「セールスポイントは一度言えば分かるだろう」と安易に考えるのではなく、何度も確認していく必要があります。

 

間違ったセールスポイント

 

また、セールスポイントと思っている事が実はセールスポイントでない、というケースもあります。

 

多いのが、セールスポイントが4つ以上あるケースです。セールスポイントの『ポイント』とは要点のことです。要点が沢山あると言いたい事がぼやけ、相手に伝わりません。

 

また、セールスポイントはお客様の購買動機に沿ったものでなければなりません。

 

例えば、「魚料理が美味しい居酒屋」なら行ってみようという気持ちになります。しかし「マイナスイオンが多い居酒屋」だとあまり行きたい気持ちが起きないでしょう。購買動機(楽しく美味しい酒を飲みたい)からずれているからです。

 

正しいセールスポイントとは

 

先ほど『お客様の購買動機』と書きましたが、お客様の購買動機、いわば『購買ポイント』に対応しているのが、正しいセールスポイントです。

 

よって、セールスポイントを認識するには、お客様が何によって購買を決めるのか、を理解しておく必要があります。購買動機を踏まえていないセールスポイントは、どこかがお客様のニーズとずれています。

 

では、お客様の購買動機をどうすれば知ることが出来るかと言えば、それは、お客様に聞くことです。何も直接質問するだけではありません。何気ない言動や行動パターンを観察しても知ることができます。

 

経営におけるセールスポイントの意味

 

商品を売るには、セールスポイントをお客様に伝えれば足りますが、もっと大きな視点で言えば、『自社の競合優位性』に行きつきます。

 

セールスポイントは単なる売り文句として狭くとらえるべきではありません。『商品の良さ』を生みだしている自社の強み(技術・ノウハウ・仕組み・材料など)をよく認識し、それを継続的に強化していくのが経営者の重要な仕事です。

 

商品には寿命があります。売れれば真似もされるでしょうし、業界への参入者が増えれば価格競争も発生するでしょう。

 

その中で自社が一定の競争力を保つには、他社が容易には真似できず、追いつけもしない『強み』を内部に築いておく必要があります。本当の意味で商品の差別化をするには、経営レベルで差別化をしなければならないのです。

 

自社の強みは意外と分からないものです。しかし、これを良く自己認識し、商品のセールスポイントに落とし込める企業は、着実に利益を得ています。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2008年7月号掲載)

 

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