ヒント(46) 原価管理の徹底が利益を増やす

不況で市場が縮小している時は、売上高を伸ばす努力もさることながら、コストを下げて効率的な経営をする方が重要です。売上高を伸ばすのは相手がある事なので計算通りにはいきませんが、コストを削減するのはすぐにできます。そして、コストを削減する、とは「電気をこまめに消す」というスローガンではなく、経営努力としての原価管理を指します。

 

原価を下げる方が簡単

 

業種にもよりますが、売上高を1割増やすのはなかなか簡単ではありません。特に、売上高を大きく伸ばそうとすれば、設備や広告宣伝などへ投資が必要で、資金力が要求されます。先行きが不安な中、積極的な投資ができる企業は多くないでしょう。

 

しかし、コストを1割削減するのは、可能でしょう。また、多くの場合、その方が利益が増えるのです。

 

売上高が100万円、売上原価が70万円、販管費が25万円の企業があったとします。粗利益は30万円、営業利益は5万円です。また、原価率は70%、つまり粗利益率は30%です。(図表の左列)

 

 

この企業が売上高を10%増加させると、売上高110万円、売上原価77万円で粗利益は33万円です。販管費が25万円ですから、営業利益は8万円。3万円の増益になります。(図表の中列)

 

しかし、売上高はそのままでも原価を1割削減すると、売上高100万円、売上原価63万円で粗利益は37万円。販管費が25万円ですから、営業利益は12万円で7万円の増益です。(図表の右列)

 

原価率を1割下げる方が、利益が増えることが理解できると思います。

 

原価を下げる切り口

 

原価を下げる切り口は色々ありますが、やはり(1)仕入代、(2)委託費、(3)人件費の3つが特に重要です。

 

(1)仕入代(材料費・商品代)

 

原価の中でも大きい部分を占めるのが材料や商品の仕入れです。材料や商品の仕入代を削減するには、まず購買方法の見直しが必要です。

 

品質や対応が同レベルであれば1円でも安い所から仕入れるのが基本ですが、「長年の付き合い」に甘えて、高い所から買い続けているケースが少なくありません。仕入担当は仕入先から見れば『お客様』ですから、つい、いい顔をしたくて割高で買ってしまいがちです。仕入先の見直しは原価削減の入口です。

 

仕入先を変えない場合でも、仕入先の利益率を見抜き、時には改善提案も含めて、値引きを要請する事も必要です。資金に余力があるのなら、支払サイト短縮と交換条件で値引きを持ちかけるのも手です。

 

また、当然、仕入れた材料や商品に廃棄損がでないよう、しっかりと管理していく必要があります。

 

(2)委託費

 

委託費で大切なのは「それを自社でできないだろうか?」という視点です。外注した方が安い場合もありますが、自社でできる事は自社でやった方が基本的に安上がりです。また、購買方法と同様に、委託方法の見直しも常に必要です。

 

(3)人件費

 

人件費は放っておくと増える傾向があります。作業や接客などのシフト管理をしっかりとしないと、一番忙しい時に合わせた人数構成になり、そうでない時に人数が余ってしまいます。

 

また、気節や時間帯によって部門や担当間で忙しさの差が出ますので、1人が複数の仕事をこなせるよう訓練し、『多能工化』を推進することも大切です。

 

作業時間に目標を与え、能力向上の努力を促す事も有効です。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2009年1月号掲載)

 

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