ヒント(48) 管理職は何を管理するのか

会社を成長させるには、組織体制をしっかりと構築することが大切です。頭(経営者)が有っても体(組織)が弱い状態では、戦略を立てても実行しきれず、やる事なす事が全て中途半端になってしまいます。

 

社長の一人よがりの経営では、社長個人の能力と体力の限界が、そのまま会社の限界となってしまいます。経営者は、自分より優秀な人材を使いこなしてこそ、一人前と言えるでしょう。

 

会社には優秀な管理職が必要

 

優秀な人材と言っても、プレイヤーとして優秀な人とマネージャーとして優秀な人の二種類があります。プレイヤーとして優秀な人とは、業務能力が高く、個人的に結果を出せる人です。まずは、こういった人材が何人か必要ですし、その育成に力を入れている企業も多いでしょう。

 

ところが、マネージャーとして優秀な人、すなわち、管理能力が高くチームリーダーとして結果が出せる人は多くはありません。それどころか、管理職としての役割や責任を自覚していない人が沢山います。

 

これは、管理職(マネージャー)のなり方に原因があります。プレイヤーの入口は新入社員ですが、こういった人には、上司や先輩による教育がなされます。

 

しかし、管理職は、プレイヤーとして優秀な人を昇進させる事が多いでしょうが、管理職とは何か、といった教育がなく、『ぶっつけ本番、後はほったらかし』にされるケースが殆どです。

 

その結果、管理職本来の職責を果たないまま、何年も役職手当を受け取り続ける『名ばかり管理職』が生み出されています。

 

管理職は現場業務をしないのが原則

 

管理職は、会社から一つの部門を任されており、自部門の業務を管理し、会社に貢献する責任を負っています。

 

管理職の管理対象を一言で言えば『業務』です。そして、業務とは、『業務の仕組み』と『業務を遂行する人』から構成されます。

 

最初に『業務を遂行する人』から説明します。まず、管理職はプレイヤーではなくマネージャーですから、自分で現場業務を抱え込むのではなく、部下に仕事を任せていくのが基本です。

 

殆どの企業では、業務経験が長く能力も高い人が管理職に任命されている為、「部下に任せるよりも自分でやった方が早い」と考える管理職も少なくありません。しかし、管理職が現場業務を抱え込んでしまうと、部下はいつまでたっても育ちません。

 

また、管理職が現場業務にどっぷりと浸かってしまうと、本来必要な管理業務をする時間が取れません。その結果、実質的に管理職不在に陥る危険性があります。

 

いわゆる『プレイングマネージャー』は、管理業務を十分にこなしても時間に余裕がある人だけが可能です。あくまで管理業務がメインであり、現場業務はサブです。現場業務が中心で空いた時間に管理業務をする、というのは本末転倒です。

 

部下を指導するのが管理職

 

管理職が部下に現場業務を丸投げするだけでは、仕事の質やスピードは落ちますので、部下に対する『指導』が必要になります。指導は、能力的な事だけではなく、仕事に対する姿勢や方針なども含みます。

 

現在は殆どの業種業態において、需要よりも供給が多く、顧客獲得競争が激しくなっています。このような環境では、顧客に対応のきめ細かさが、売上高に大きく影響します。これは、営業部門だけの問題ではなく、開発、設計、製造、総務などの各部門も連携すべき会社全体の問題です。

 

そうすると、管理職自身が経営方針や経営目標をよく理解し、それを自部門に落とし込み、部下にも徹底させる事がとても重要になってきます。

 

また、部下が好ましい方向に向かって頑張っているかどうかを正しく評価(人事考課)をしなければなりません。人が人を評価するのは簡単ではありませんので、管理職が部下をできるだけ正しく評価できるよう、考課者としての訓練を受ける必要があります。

 

そして、部下にやる気を出させるのも、無くさせるのも、管理職の言動次第です。部下からは『上司の背中』はよく見えます。少なくとも、管理職の軽々しい言動が部下のやる気を無くさせないようにすべきです。この点は、経営者側が十分に監督していく必要があります。

 

『指導』とは、単に教える事ではなく、行くべき所を指し、そこに導く事をいいます。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2009年3月号掲載)

 

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