ヒント(52) 指示系統の強さが組織の強さ

会社では複数の従業員が同時に動きますので、組織体制が強固でなければならず、その為には、指示系統が明確になってなければなりません。

 

指示系統とは「誰が誰の指示で動くのか」という事ですが、これが曖昧だと組織的な動きができず、従業員が烏合の衆になってしまいます。

 

直属の上司は誰か

 

零細企業では、社長が全従業員に直接指示を出します。しかし、一人で管理できる従業員数には限りがありますので、ある程度の規模になると管理職を設けることになります。管理職が管理できる人数にも限りがありますので、部長と課長を分けるなど管理職を階層化します。こうやって組織はピラミッド構造になっていきます。

 

そうすると、社長以外のすべての従業員には、直属の上司が必ず一人いる事になります。ところが、社長自身が組織設計をしっかりとしていないと、これが機能しない事が往々にしてあります。

 

従業員一人一人に「あなたの直属の上司は誰ですか?」と聞いてみて下さい。全員から正しい答えが返ってくるでしょうか。

 

そもそも中小企業の役職には、役割を表す役職(課長など)と、職務資格を表す役職(主任など)とがあります。これを社内で混同してしまうと、誰が誰の指示で動くのかが曖昧な組織になってしまいます。

 

社長周辺が曖昧になりやすい

 

部門内が部門長を中心にまとまっていても、その上層部の役割分担が出来ていないケースがあります。

 

取締役として社長以外にも専務や常務を立てている会社では、取締役の役割分担を明確にしておかないと役員によって言う事が違ったり、社長が他の取締役を跳び越して指示を出したり、都合のいい場合と悪い場合とで責任者が変わったりして、現場が混乱することがあります。

 

指示を出せない人は上司ではない

 

管理職は部下の仕事を管理する義務があります。これを果たせるかどうかは、部下に適切な指示を出せるかどうかに懸ってきます。

 

まず、部下に指示を出す義務すら認識していない管理職はいないでしょうか。指示は依頼とは違い、部下に「NO」と言う権限はありません。指示と言いながら、依頼になっていないでしょうか。同僚や上司に対しては『依頼』ですが、部下に対して出すのは『指示』です。

 

また、管理職には自分でやった方が早いと思うのか、部下に指示を出さずに自分でやりたがる人がいますが、自分一人でできる仕事量は限られています。管理より作業に時間を割く管理職では、チームとして成果を出す事は難しいでしょう。

 

連絡は理解させてこそ

 

組織の強さを測る目安の一つに『徹底力』があります。やると決めた事をいかに徹底して実行するか、やめると決めた事をいかに徹底してしないか、によって強い組織か弱い組織かが分かれます。

 

管理職は自分で指示を出すだけでなく、連絡事項を部下に伝える役目も担っています。

 

連絡事項の伝え漏れがあると、やるべき事が現場で実施されなかったり、手違いが発生したりします。また、連絡の伝え漏れがあると、部下は上司に対して不信感を持ちます。

 

連絡事項は、会議の欠席者など、その場に居ない人にも漏れなく伝えなければなりません。

 

また、連絡を伝えただけでは、相手がそれを理解しているとは限りません。連絡事項の目的や背景を伝えたり、相手に復唱させて理解度を確認したりする努力も必要です。

 

その際、管理職は上層部からの連絡事項を自分の言葉に翻訳し、部下が理解できる言葉で伝える必要があります。管理職は『メッセンジャーボーイ』であってはいけません。

 

報告の徹底

 

仕事とは作業完了までではなく報告完了までを言います。

 

管理職は部下に指示をした事の報告を受ける立場ですが、何を報告させるのかを把握しておかなければなりません。報告について上司がいい加減だと部下もいい加減になります。

 

また、指示をしてから完了までに期間を要する場合は中間報告をさせるようにします。

 

こういった地道な事を徹底させるのが、組織力を高めるうえでとても重要です。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2009年7月号掲載)

 

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