ヒント(59) 計画的な経営が長期的な成長をもたらす

成長する企業と成長できない企業の最も大きな違いは、経営環境の変化への対応力です。環境変化に対応できる企業は成長し、対応できない企業は業績が落ち込みます。

 

実際に環境が変わってしまってから動き出しても手遅れです。将来の環境変化を予測し、それに備えて早めに行動を起こすことが大切です。

 

なお、経営環境が変化する要因には、法律成立、経済情勢の変化、生活様式の変化、技術革新、競合の戦略変化や新規参入、顧客ニーズの変化などがあります。

 

重要な取り組み

 

経営環境の変化に対応する取り組みのうち、特に重要なのは、(1)新事業活動と(2)企業体質強化の2つです。

 

(1)新事業活動
既存市場が次第に飽和する一方で、新しい市場が次々と誕生しています。そのため、新事業の立ち上げ、不採算事業からの撤退、多角化、事業再編が数年ごとに必要になります。
また、同一事業でも新商品投入や販路開拓は絶えず行っていかねばなりません。

 

(2)企業体質強化
環境変化をチャンスとするには、自社の企業体質が強くなければなりません。それには、組織体制の強化、人材の獲得と育成、設備投資、収益性が高まる仕組みづくり、取引先とのパートナーシップ構築、コアとなる技術やノウハウの蓄積、といった取り組みが必要です。

 

無計画な企業の問題点

 

新事業活動や企業体質強化といった取り組みは、計画的に実施すべきです。経営計画がない、もしくは形骸化している『無計画な企業』では、次のような問題を抱えているため、経営環境の変化への対応が遅れがちです。

 

(1)行動が場当たり的
一貫した判断基準がないため、行動が場当たり的で中途半端です。他社の成功談に心が揺らぎ、見せかけだけのチャンスに無節操に飛びつきがちです。

 
(2)同時に一つのことしかできない
やるべき事が一覧化されてないため、同時に一つの事しか心に掛かりません。その結果、目先の利益の追求に終始しがちで、将来への『種まき』まで手が回りません。

 

(3)取り組みが続かない
やると決めた事でも、口頭指示だけで文書化されないため、継続的な取り組みや定期的な確認がなされません。指示を出した本人が忘れているケースも多く、取り組みが自然消滅しがちです。

 

(4)管理職が頼りない
自社の方向性や経営課題が明示されず、自分の役割も自覚できないため、管理職クラスが目先の業務しか遂行せず、会社全体の取り組みには受け身になります。

 

経営計画とは何か

 

経営計画とは、経営目標を達成するための重要な取り組みについて「誰が」「何を」「いつまでに」「どれだけ」やるかを明確にしたものであり、経営者をはじめ、管理職や一般社員に至るまでの行動の羅針盤になるものです。

 

しっかりとした経営計画を立てている企業は、経営者の判断の一貫性が保たれ、新事業活動や企業体質強化などの取り組みが、日常業務と同時並行的に、かつ継続的に実施されています。

 

その結果、環境変化への対応力にすぐれ、着実に成長しています。

 

経営計画や金融機関への提出目的で作るのではありません。あくまで自社が成長する為のロードマップ(道程)として作成するものです。目的を間違えてはいけません。

 

良い計画の条件

 

経営計画は、中長期計画と年度計画の2種類作成するのが基本です。中長期計画では経営戦略を、年度計画では中長期計画を踏まえた行動計画を記述します。

 

また、計画が着実に実行されるには、次のポイントを押さえる必要があります。

 

(1)経営方針や重点課題の明確化
(2)実施事項の具体性と実現可能性
(3)責任者・期限・数値目標の明確化
(4)進捗確認の時期と方法の明確化
(5)目標達成度と人事考課のリンク
(6)管理職の計画策定への参画

 

そして、計画は固定のものではなく、状況変化に応じて定期的に軌道修正していきます。常に先を予測しながら「今後、何をすべきか」を考え続ける事が大切です。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2010年2月号掲載)

 

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