ヒント(63) 店の客数を増やすには

ある経営者からのご質問
飲食店を経営していますが、客数が少なくて厳しい状況です。どのように集客すればいいでしょうか。

 

<回答>
集客を考える際に、最初にしなければならないのは、「客数があといくら必要か」という集客目標を立てる事です。

 

客数が少ないと「とにかく集客しなければ」と焦りがちですが、集客にはお金と時間が掛かります。勿論、集客方法の良し悪しで費用対効果や時間対効果は異なりますが、お金と労力を全く掛けずに集客する事はできません。

 

その為、「売上高が少なく収益が厳しい」「集客しなければ」「でも、広告を打つにはお金が掛かる」「お金を掛けずに集客するしかない」「でも、時間が掛かる」「一体どうすれば」と思考が堂々巡りし、集客の必要性に迫られながらも行動に移せない人が少なくないのです。

 

必要な客数を計算する

 

経営者には常に冷静な判断が求められます。それには数字を使って考える事が不可欠です。その大まかな流れを説明します。

 

まず、利益目標を設定します。現在が赤字(マイナス)なら取りあえず『ゼロ』でも結構です。次に、売上高に関係なく毎月固定で発生する支払額を利益目標に足し算します。これには自分自身の生活費や借入金の返済も含みます。

 

利益目標が月20万円、固定の支払額が120万円だとしたら、合計で140万円です。これと同額の粗利益があれば良いのです。

 

次に、粗利益を現在の粗利益率で割り算します。食材の原価率が30%なら粗利益率は70%ですので、140万円を0.7で割ると200万円です。これが利益目標の達成に必要な売上高になります。

 

これを平均客単価、例えば2,000円で割れば、月の客数は1,000人となります。営業日が25日だとすると、1日あたり必要な客数は40人です。

 

必要な客数と現在の客数の差が「増やすべき客数」、すなわち集客目標になります。これを更に、新規客とリピート客に分けます。

 

「新規客は1日あたり、あと10人必要」「リピート客はあと5人必要」といった数字が見えて初めて、具体的な集客作戦が立てられます。

 

新規客を増やすには

 

新規客を増やすには、店の存在とコンセプトをとにかく多くの人に告知し続ける事です。お客様が来ないのは、単に知られてないからです。

 

集客は続ける事に意義があります。店のオープン時にしか広告を打たない人がいますが、それでは新規客は増えません。また、しばらくすると「経費削減」と称して広告をやめる人もありますが、それでは駄目です。

 

集客努力が続けられないのは、掛けたお金と労力に対する効果が見えない(または忘れている)からです。

 

そこで、新規客からは、「何を通して店を知ったか」を聞いて、記録して下さい。そうする事によって、広告の費用対効果が見えてきます。

 

集客媒体には、フリーペーパー、情報誌、新聞、折込チラシ、ポスティング、ラジオ、お店紹介サイト、ホームページ、ブログ、看板など色々あり、集客スピードと費用対効果はそれぞれ異なります。

 

大切なのは、集客結果の記録を取り、どの媒体なら広告代の元が取れるかを見極める事です。元が取れるなら、自信をもって広告予算を投入して下さい。その上で、広告の表現(特にキャッチコピーが大事)を向上させていけばいいのです。

 

リピート客を増やすには

 

新規客が増えれば、そのお客様を満足させていけばリピート客は自然に増えていきます。満足度の高め方は分かるでしょう。料理の味、メニュー構成、値頃感、雰囲気、サービス、接客、清潔さ、などです。

 

また、ワンランク上という位置づけの店は「どんな場面に店を利用したらいいか」をお客様に提案し、来店頻度や紹介数を高める努力もしていきましょう。

 

集客は受け身ではいけません。お客様が増える流れや仕組みを積極的にして作っていく事が大切です。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2010年6月号掲載)

 

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