ヒント(67) 経営改善計画の作り方

ある経営者からのご質問
業績が悪化して借入金の返済が厳しくなったため銀行に相談に行ったところ、経営改善計画の作成を求められました。どのように計画を作成すればいいでしょうか。

 

<回答>
経営改善計画とは、会社の業績悪化の原因をどうやって除去し、その結果として、利益や返済資金がいくら出てくるのか、を数字や文書で表したものをいいます。

 

なぜ業績が悪化したのか

 

経営改善計画を作成するにあたり、最初にしなければならないのは業績悪化の原因分析です。

 

不況や価格競争は原因ではありません。不況が原因なら世の中の全企業の業績が落ちている事になりますが、そんな事はありません。価格競争にしても然りです。

 

そうではなく、不況や価格競争に対処できなかった経営のやり方に問題があります。

 

その原因を分析するには、損益計算書を5期分比較して、売上高、売上総利益、人件費、一般管理費などの推移を見る必要があります。できればグラフを作成してみて下さい。これまでの流れがよく分かります。

 

そして、過去5年間に会社にどんな出来事があり、どんな経営判断をしてきたのかを書き込んでいきます。

 

そうすると「あの時にこうしておけば良かった」「この時にこれをしたから今の苦境がある」といった事が見えてきます。そういった所に原因が潜んでいます。

 

競争力に投資をしてきたか

 

業界に追い風が吹いている時は何となく経営していても勝手に儲かります。しかし、向かい風が吹くと、企業の競争力がシビアに問われます。

 

資金繰りが厳しい企業の経営者は皆さん口をそろえて「以前は儲かったのに」と言います。その時に「勝って兜の緒を締めよ」のことわざ通り、競争力を高める為に、利益を内部留保しつつ、人材確保、仕組みづくり、商品開発、知名度向上などに再投資をしていれば、今頃はもっと利益が出ていた筈です。

 

多少儲かったからと、利益を社外流出させたり無理な拡大や放漫経営に走ったりするから駄目なのです。

 

自社はいつどのように経営判断を誤ったのかを素直に反省し、除去すべき苦境原因を客観的に見て下さい。業績回復はそこから始まります。

 

損益改善は経費の見直しから

 

赤字とは、収入よりも支出が多い状態をさしますが、言いかえれば、売上高と経費のバランスが取れてない状態が赤字です。

 

そもそも経費とは「売上高を作るのに必要なもの」です。経費の費用対効果はどうですか。一つ一つ見直す所から始めて下さい。無駄な経費、非効率な経費がかなりある筈です。

 

売上高と人件費のバランスも見て下さい。売上高が落ちれば仕事量も減る筈です。売上高に合わせて人件費をコントロールできていますか。

 

業績が落ちた会社は競争力も落ちていますので、売上高を増やすのに時間が掛かります。最初にすべきなのは無駄な経費の削減です。その中には人件費も入ります。

 

そして浮いた経費を会社の競争力や集客力を高める部分に回して下さい。しばらくすると売上高が回復してきます。

 

改善計画を作成する

 

経営改善計画の核は、損益計画です。売上高は固めの数字にし、原価や経費の削減で利益を出す形で、向こう十年分の損益予測を作成します。

 

税引後利益に減価償却費を足せば営業キャッシュフローが見えますので、そこに設備投資や売掛金や在庫の増減を加味すれば、『返済に回せる資金』が計算できます。それを元に銀行への返済予定を作り込んでいきます。

 

損益計画以外には、組織体制図も作成します。業績が悪い会社は組織体制も悪いです。思い切って見直して下さい。その上で、経営改革項目を洗い出し、実施スケジュールを具体化します。

 

このようにして経営改善計画を作り込んでいきます。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2010年10月号掲載)

 

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