ヒント(69) 新商品を開発する際の留意点は

ある経営者からのご質問
価格競争が激しく既存商品の売上高が下落してします。この状況を打開しようと思い、商品をいくつか開発していますが、新商品の販売が今一つ伸びません。どうすれば売れる商品を作れるでしょうか。

 

<回答>

 

売れる商品を開発するには、『客が何を欲しがっているか』を把握する事が極めて重要です。多くの会社は「客はこんなものを欲しがるだろう」と思って商品を開発しますが、本当にそうなのかどうかを検証しようとしません。つまり、思い込みだけで商品を作っているのであり、その『思い込み』が外れているから商品が思ったように売れないのです。

 

客はどんな行動をとるのか

 

客が何を欲しがっているかを知るには、客の生活パターンや業務パターンをよく知る必要があります。

 

要するに、客の立場に立って考える、という事ですが、客がどんな場面でどのような動きをし、何を感じているのかを理解しないと、本当の意味で客の立場に立って考える事はできません。

 

売れない商品を連発する会社は、商品の構想を机の上で考えています。客を見ずに、売る側の視点で空想しているから、何を欲しがっているのかを見間違えるのです。売れる商品を作りたければ、客を徹底的に観察することです。

 

中小企業の経営者は、販売の現場から遠ざかっては駄目です。客がお金を出す場所や商品を使う場所に足を運び、客の行動や発言をよく観察しましょう。そうすれば、客が何を求めているかが見えてきます。

 

どんな人が客の対象か

 

客には色々なタイプがあります。いわゆる『客層』ですが、客層によって求めるものが違います。商品を開発する時には、商品がどんな客層向けなのかを最初に考えておかねばなりません。

 

万人受けする商品の販売は低価格販売のできる大企業が有利です。小さな会社は八方美人的な商品を作るべきではありません。対象客層以外には見向きもされないが、対象客層からは熱狂的に支持される商品が、典型的な勝ちパターンです。

 

売れない商品は個性が無いのです。個性が無いのは、『誰からみた個性なのか』が曖昧だからです。売れる商品を作りたければ、どんな人に買って欲しいのかを具体化して下さい。

 

その際、『若い女性』などという設定では不十分です。若い女性といっても色々なタイプがあるので、求めているものがなかなか絞りこめず、商品コンセプトがぼやけます。

 

『自分も働いていて夫と子供の弁当作りで朝がとても忙しい既婚女性』くらいのくくり方が必要です。つまり、生活や業務のパターンを基準にして客層を設定するのです。
そうすれば、「こんなものを求めているだろう」という仮説が当りやすくなります。

 

最初に売り方を考えておく

 

商品開発でよくあるのは、商品が完成した後で売り方を考えるケースです。作った商品が売れないのは、開発プロセスが間違っているからです。商品は開発する前に売り方を考えるものです。

 

商品のネーミングやパッケージ、価格、販路や販促方法などのマーケティングミックスを最初に組み立て、売れる感触を得たうえで開発に着手しなければなりません。

 

開発途中においても、試作段階でモニター調査やテスト販売を行い、本当に売れる商品かどうかを何度も確かめながら商品コンセプトを軌道修正していく過程が重要です。

 

また、商品の候補は最初にいくつか考えておきます。商品をたった一つだけ開発して、それを百発百中でヒットさせるのは不可能です。

 

売れそうなタマをいくつも持って置き、それを振るいにかけて、最終的に一つの商品に絞りこんでいく事で売れる商品が生まれます。

 

「とりあえず商品を先に完成させてから売り方を考えよう」というのは商売の素人です。『売れる商品を作る』とはどういう事なのかをよく理解して下さい。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2010年12月号掲載)

 

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