ヒント(71) 得意先の新規開拓をするには

ある経営者からのご質問
価格競争が厳しく既存の得意先への売上高が低下しているため、新規開拓を推進していますが、あまり成果が出ていません。どうすればいいでしょうか。

 

<回答>
決まった得意先に商品を販売するタイプの会社では、営業担当者の毎日の仕事が、商品の(1)注文取り、(2)価格合わせ、(3)配達の『3点セット』の繰り返しになりがちです。

 

このような動きが体に染みついている営業担当者に、いきなり「新しい得意先を開拓してこい」と言っても、具体的に何をどうすべきかが分かりません。その為、社長が新規開拓を指示したところで、現場の動きはこれまでとほとんど同じです。

 

また、多少は新規開拓の活動をしても、発想が『3点セット』の域を出ない為、相手に軽くあしらわれて撃沈するだけです。そのうち営業意欲も下がるでしょう。

 

新規得意先の方法論を問題にする前に、営業担当者の発想や動きを変える必要があります。多くの会社は、この段階でつまずいています。

 

まずは体制を整備する

 

新規開拓をするには、その為の『時間』を確保する必要があります。

 

得意先の開拓をするには、先方にアポを入れなければなりません。勿論、日時や場所は相手側の都合が優先されます。通常は、一発で商談は決まりませんから、何度も先方に足を運ばなければなりません。

 

また、先方を事前調査したり、提案書を準備したりする必要もあります。見積書はどんなに忙しくても、「すぐに出す」のが原則です。

 

こうした動きは片手間ではできません。じっくりと腰を据えて取り組む必要があります。

 

しかし、既存得意先への売上高が落ちたといっても、営業担当者の仕事量が極端に減る訳ではありません。

 

動きたくても中途半端にしか動けない。これが実情でしょう。

 

そこで、営業担当者を、新規開拓や提案営業をする人と、(1)注文取り、(2)価格合わせ、(3)配達の3点セットを継続する人の2つに分ける必要があります。新規開拓をするには、開拓や提案、商談だけをひたすら繰り返す専門要員の存在が必須です。

 

引合いの数を増やす

 

新規得意先の開拓は、やみくもに動いても非効率です。短期間で成果を出すには「どうすれば営業効率が良くなるか」を追求すべきです。

 

方向性としては、『引合い』、つまり、提案依頼や見積依頼を数多くもらう事です。引合いが少ないと、営業担当者が時間を持て余します。

 

得意先候補からの引合いを数多く集め、そこに営業担当者がアポを入れて訪問し商談するのが、新規得意先開拓の基本形です。

 

問題はどうやって引合いを増やすかですが、効率がいいのはDMです。ハガキ、封書、FAX、メールなど、手段は色々ありますが、タウンページやインターネットなどを活用して得意先候補のリストを作成し、そこにDMを送って下さい。DMだけで弱い場合は、DM発送後に電話掛けも重ねて行って下さい。

 

そのうえで、予算と相談しながら必要に応じて、広告や看板、ウェブサイトも充実させていきます。

 

また、紹介者の獲得も必要です。得意先の経営者や購買担当が『業者を探す際に相談する相手』に自社を売り込むのです。得意先が集まる会合に参加して自社を売り込む事も大切です。営業は『客が集まる交差点』を攻める事が大切です。

 

提案力を身につける

 

営業は提案力と押しの強さが重要です。

 

提案力を高めるには、まず自社商品の仕様や原価、セールスポイント、他社商品との違いなどを熟知する事です。次に、相手が抱える問題点や既存業者への不満を聞き出す『質問力』を身につける事です。商品と得意先の2つを熟知すれば、質の高い提案ができ、押しも強くなれます。

 

また、商談は決定権者に会うのが鉄則です。最初から決定権者に会えるよう、DMの打ち方や営業トークを工夫して下さい。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2011年2号掲載)

 

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