ヒント(79) 優秀な人材を採用するには

ある経営者からのご質問
会社が成長するには若くて優秀な人材を雇用することが大切だと思いますが、実際には募集してもなかなか来てくれません。どんな点に留意して人材募集をすればいいでしょうか。

 

<回答>
最初に理解すべき点は、優秀な人材を獲得するのは、顧客を獲得するよりも難易度が高い、という事です。

 

何事も入手の難易度は需要と供給のバランスで決まります。現在、新規顧客を探すのが大変なのは、商品やサービスに対する需要よりも供給の方が多いからです。

 

人材も同様です。普通の人材は世の中に大勢いるため、採用は顧客獲得よりはまだ容易ですが、優秀な人材は10人中1人居ればいい方です。

 

つまり、企業側の需要よりも供給の方が少ないのです。優秀な人材には希少価値があります。だから、獲得には相応の経営努力が必要だという事を知って下さい。

 

優秀な人材は先を見る

 

優秀な人材を獲得するには、顧客獲得と同様、マーケティングが重要です。つまり、相手のニーズを理解し、それを満たす事が必要です。

 

一般論として、優秀な人材であればある程、先の事を見ようとします。具体的には、自分が仕事を通して、どのように成長し、キャリアアップし、収入を増やし、生活レベルを上げていくのか、という人生設計です。キーワードは『成長』です。

 

重要なのは、会社に明確な成長戦略がある事です。現状維持に毛が生えた程度でよしとする会社には優秀な人材は来ません。

 

なぜなら、そのような会社ではいつまでも給与水準が上がらず、大きな仕事も任せて貰えない、と感じるからです。よって、会社自体が成長志向でなければなりません。

 

もちろん、経営者が大きな夢を語るだけでは不十分です。実際に会社が大きく成長する具体的な戦略シナリオが描けているかどうかです。

 

事業範囲の拡大や新事業の立ち上げなどの攻めの展望、それに必要な経営資源の確保、適材適所の人材配置と能力主義の処遇、社員教育プログラム、それらを踏まえた長期的な給与水準向上、といった分かりやすいシナリオが大切です。

 

優秀な人材には、大企業に行く選択肢があります。それをせずに中小企業に入社して貰うには、会社の将来性、つまり成長性が必要です。

 

給与体系の整備が必要

 

優秀な人材と言っても、入社時点では本当に優秀かどうか分かりません。したがって、最初から高い給与を出せる訳ではありません。

 

しかし、本当に優秀であったら十年後、二十年後の給与や賞与、その他の待遇はどうなるのか。あなたは「それはその時に考える」と思うかも知れませんが、相手はそれを入社前に知りたいのです。

 

「もしかしたら頑張っても給与はあまり増えないかも知れない」と思われたら、あなたの会社は素通りされます。いや、実際にそうだからこそ、優秀な人材が来ていないのです。

 

したがって、給与体系の整備やモデル賃金の提示は絶対に必要です。

 

会社全体の業績を増やす

 

初任給もある程度考えるべきです。初任給が低いと、入社先の選択肢から除外されます。

 

ただ、現実には、初任給を増やそうにも既存社員の給与との整合性の問題が生じます。

 

これを解決するには、会社の『一人あたり利益』を増やして給与水準を向上させる必要があります。また、年功序列ではなく、能力や貢献度に応じて給与や賞与に大きく差をつける給与体系に変えていくべきです。

 

時間は掛かりますが、ここを変革しないと、いつまでも優秀な人材は来ません。

 

人材募集にも投資する

 

人材募集広告などへの投資も大切です。そもそも、優秀な人材はハローワークには行きません。

 

集客にお金を掛けるのと同様に、優秀な人材を獲得する為には、人材広告や人材紹介にも、一定の予算を投入する必要があります。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2011年10月号掲載)

 

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