ヒント(84) 営業体制を強化するには

ある経営者からのご質問
当社は売上高増加に向けて、営業担当にノルマを与え、研修も受けさせ、営業会議で進捗を確認しながら取り組んでいますが、あまり成果が出ていません。どこに原因があるのでしょうか。

 

<回答>
市場が成熟した分野では、業者間の競争が激しい為、営業担当が個人的に頑張った程度では売上高は伸びません。会社を挙げて組織的に取り組む必要があります。

 

勿論、顧客に接するのは一人の営業担当です。しかし、営業担当を会社がどれだけバックアップするかが重要です。

 

なせなら、何の支援もなく自分の力だけで成果を出せる人材は、滅多にいないからです。

 

組織の力は大きい

 

ある程度の成果を出す人は、それを自分の力だと思いがちです。しかし、実際には違います。『会社』という一つのシステムの中で各社員が動き、その範囲内で成果を出しているに過ぎません。

 

昨今は、少し自信が有ればすぐに個人で独立する風潮にありますが、そうした人の多くが『鳴かず飛ばず』で終わっています。この事実は、会社という組織の力が如何に大きいかを物語っています。

 

そして、それを自覚すべきなのは、社長や営業担当も同じです。

 

ビジネスは組織戦です。成果を出せる体制をどのように作っていくかが大切で、それを怠っているから売上高が伸びないのです。

 

営業会議のあり方を見直す

 

まず、営業会議に営業以外の人がどれだけ参加しているでしょうか。

 

営業会議は報告や叱責の場ではありません。売上高や粗利益の増加策を協議して決める場です。

 

売上高は営業力だけで決まるのではなく、商品力やサービス力も大きく影響します。広告予算も必要です。

 

また、一部の顧客を捨てて重要顧客に集中する戦略的な判断が必要になる場合もあります。

 

そうした事は、会社全体の視点で大局的に議論する必要があります。したがって、営業会議には全部門の管理職が参加する必要があります。

 

営業ツールは誰が作るか

 

営業担当の『武器』も必要です。

 

自社の商品カタログを営業に持たせているでしょうか。どの客層に何を見せるか、方針を決めているでしょうか。営業担当が使いこなせているでしょうか。

 

最近では、客先で動画を見せたり、その場でソフトを使って見積りしたりする企業が増えています。そうした流れに対応できているでしょうか。そもそも営業ツールを作る担当は決まっているでしょうか。

 

見込客に対して、定期的にDMを出す事も必要ですが、対象者の抽出や文面の作成は誰がやりますか。発送後のフォローコールの役割分担はどうでしょうか。

 

『誰が』『何を』『いつまでに』が不明確だと、掛け声だけで終わり、実行されません。成果も出ません。

 

社内連携を強化する

 

顧客対応を強化する事も重要で、営業担当は、開発、生産、仕入、サービス、総務の担当と連携できてなければなりません。

 

商品が良くても在庫切れが多いと顧客が逃げます。しかし、在庫を過剰に持つ訳にはいきません。販売計画と生産計画や仕入計画とのすり合わせが必要です。

 

また、競合他社が新商品を投入してくる以上、こちらも定期的な商品開発や発掘が必要です。売れる商品を作るには、営業側と生産側、調達側との間で商品コンセプトや原価を何度も調整する必要があります。

 

サービスもそうです。顧客の個別要望に応えると、大抵は業務が煩雑になり人件費がかさみます。しかし、全く応えない訳にはいきません。業務の標準化とサービスのパターン化を進め、対応の柔軟性と業務効率を両立させる取り組みも必要です。

 

とにかく、売上高を増やす組織体制をしっかり作る事です。営業担当の個人プレーではなく、仕組みで勝負すべきです。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2012年3月号掲載)

 

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