ヒント(94) 粗利益率を向上させるには

ある経営者からのご質問
最近、業界内の価格競争が激しく粗利益が低下しています。
このままでは経営が苦しくなるため、何とか一定の粗利益率を確保したいのですが、どうすればいいでしょうか。

 

<回答>
粗利益率が下がるのは、低価格を好む顧客に利幅の低い商品を売っているからです。

 

粗利益率を向上させるには、粗利益率の高い商品を売る事が大切です。そして、利幅の高い商品を買う顧客を増やす事が大切です。

 

売上高よりも利益を重視する

 

売上高と利益ではどちらが重要でしょうか。勿論、利益です。売上高が増えても利益がマイナスなら会社は倒産します。売上高が半分になっても利益が増えれば、会社は文字通り儲かります。

 

利益を目的とすれば、売上高は手段です。売上高が目的ではありません。他社に合わせて簡単に売価を下げてしまうのは、売上高が目的になっているからです。

 

利益を増やすのに売上高増加は手段として大事ですが、原価や販管費を持てない位に安売りするのは手段として意味を為してないのです。

 

あくまでも、粗利益を重視する経営でなければなりません。

 

目標管理や評価の基準にする

 

粗利益の数字は、経営者だけでなく全ての営業担当が意識する必要があります。

 

そもそも、営業担当の目標や評価の基準は粗利益にすべきです。売上高だけをノルマにすると、粗利益を考えずに安易に値引きに走る営業担当がどうしても出てきます。

 

そして、社内で粗利益を問題にする以上は、粗利益がリアルタイムで見える仕組みが必要です。

 

道路で制限速度が守れるのは、車にスピードメーターがあるからです。それがないと、速度を守る事は至難の業です。

 

同様に、営業担当が自分の成績としての粗利益を日次で把握できないと、目標管理にはなりませんし、粗利益を追及する活動もできません。

 

売上高の集計は簡単ですが、粗利益の集計はソフトを上手く活用する必要があります。費用も掛かります。

 

しかし、粗利益重視の経営を謡うなら、それ位は実施して当然です。

 

利幅の高い商品を作る

 

どんな会社にでも利幅の高い商品と低い商品がありますが、利幅の高い商品の割合が増えれば、会社全体の粗利益率が向上します。

 

逆に、利幅の低い商品が多い、または、そうした商品しかない会社は粗利益率が低いです。

 

商品の利幅が低いのは、売価が低いか、原価が高いか、あるいは、その両方です。

 

売価が低いのは、その商品が差別化されていないからです。原価が高いのは、原価削減努力が足りないからです。

 

企業努力としては、利幅の高い商品をもっと開発または発掘すべきです。それが出来ないのは、担当者が不明確だったり他業務と兼任だったりして実行体制が弱いからです。

 

販売力の前に商品力です。商品力を上げるには組織力が必要です。

 

マーケティングを強化する

 

粗利益率を向上させるには、顧客と商品との組み合わせを見直す必要があります。

 

大口顧客は価格を重視するでしょうが、同じ顧客でも価格重視の度合いは商品カテゴリによって異なります。従来とは異なる高付加価値な商品を提案する事で、粗利益率を底上げする事は可能です。

 

そして、利幅の高い商品を求める顧客を新規開拓する事が大切です。

 

その際は、ターゲット客層を明確にして、商品へのニーズをしっかりと把握する事がポイントになります。ここが曖昧だと集客が空回りします。

 

そして、見込客を開拓する為に、広告、DM、展示会、ウェブサイトなどにもお金を掛けて下さい。広告宣伝は費用ではなく投資です。

 

従来と同じやり方を続けても結果は同じです。粗利益率を増やす為の取り組みに力を入れましょう。

 

(那覇商工会議所・商工ニュース2013年1月号掲載)

 

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